金子みすゞ「土」

12月27日(水)、少し気温が上がり、校庭で遊ぶ学童さんも気持ちが良さそうです。今日は、2学期中に、研修報告として、校内で回覧されていた研修資料の中に、興味深い詩を見つけたので紹介します。 

『土』 金子みすゞ

こッつん こッつん 打(ぶ)たれる土は
よい畠(はたけ)になって よい麦生むよ。

朝から晩まで  踏まれる土は
よい路になって 車を通すよ。

打たれぬ土は  踏まれぬ土は 要らない土か
いえいえそれは 名のない草の お宿をするよ。

この詩からは、いくつかのメッセージを感じます。
まずは、「人は、打たれたり、踏まれたりすることで、何かを生み出したり、何かを支えている。」ということです。しかし、それ以上に「世の中には、一つとして、いらないものはない。すべてのものには、そこに存在する意味や価値がある。」といったメッセージを感じます。人は、失敗したり、叱られたりすることが続くと、自己肯定感や自己有用感を感じられなくなり、深く悩んでしまうことがあります。この詩を通して、子供たちには、すべての人はそこにいるだけで素晴らしい価値があることを感じ取り、前向きに生きる力にしてもらいたいと思います。